ミゲル・ゴメス インタビュー



まずは変顔に興じるエル・ファニングの写真から。撮影はユー・ツァイ氏。せっかくなので別のカッコいい写真も載せておきましょう。


http://blogs.indiewire.com/theplaylist/nyff-miguel-gomes-on-tabu-and-the-pleasures-and-phantoms-of-cinema-20121017
こちらは新作『熱波(原題/Tabu)』の日本公開も決まっているミゲル・ゴメスのインタビューから、いくつか発言を抜粋。語り口が愉快だね。ポルトガル映画祭で上映された『私たちの好きな八月』は素晴らしい作品でした。ここにある発言は長編処女作『自分に値する顔』を思い出します。あの映画も”映画が歳を重ねる”ことについての映画だったので。ミゲル・ゴメスのインタビューに関してはもう一つ興味深いのがあったので、また近い内紹介したいなと思います。


「映画だって若さを失っている。なにしろ100歳以上歳をとってるからね。成長する過程で、賢くはなったけど、純粋さを失っているんだよ。子供の頃に信じていたことを、もう信じられなくなっているんだ。僕は映画(と映画の観客)が失くした純粋さを少しだけ取り戻そうとしているんだ。ノスタルジックに聴こえるかい?」


「たくさんの映画を見たよ。一つ一つについてハッキリと覚えてるわけじゃないけどね。記憶の中で朧げに混ざり合っている。亡霊みたいなものさ。僕が思うに映画は亡霊を招き入れる。亡霊は映画の中で生きることができるんだ。」


「とても感銘を受けたんだよ。ミュージカル、コメディ、スリラー、ホラー、政治的な映画、、、『ホーリー・モーターズ』(レオス・カラックス)には全ての映画の亡霊が凶暴に走り回っているんだ。」


ペドロ・コスタはデジタルでとても優れた映画を撮っているね。『ホーリー・モーターズ』もデジタルだけど驚くべき作品さ。でも悲しいんだ。僕はフィルムが大好きだからね。デジタルよりフィルムで映画を撮り続けたいんだよ(注*『熱波』は35mmと16mmで撮られている)。とはいえ、全ての映画がフィルムで撮られるべきだなんて僕は言わないけどね。」


以前、『自分に値する顔』について書いた記事。
http://d.hatena.ne.jp/maplecat-eve/20100903


http://www.lesinrocks.com/2013/01/04/cinema/les-salauds-visite-sur-le-tournage-du-nouveau-film-de-claire-denis-11337559/
こちらはイザベル・ユペールとの『ホワイト・マテリアル』が鮮烈だったクレール・ドゥニの新作『Les Salaud』の記事。キャストにはヴァンサン・ランドンとキアラ・マストロヤンニを起用。復讐劇、フィルムノワールになるそうだ(!)。クレール・ドゥニと脚本を組むジャン=ポル・ファルゴーがいくつかのキーワードを挙げています。50年代の黒澤明の映画。三船敏郎のようなキャラ。盟友レオス・カラックスに続いて、カメラはThe Red Epicを使用。撮影はアニエス・ゴダールが担当するそうだ。楽しみ!


最後に、当時14歳の少年が8mmカメラで撮った29歳のマリリン・モンローの動画を紹介。少年への投げキッスがヤバい!ドキドキしてしまいました。好きになっていいですか!?って言いたくなる。マリリン・モンロー、素敵すぎる。撮影をした少年はPeter Mangone。去年公開された『マリリン 7日間の恋』(サイモン・カーティス)はすごい傑作というわけじゃないんだけど、大好きな映画です。年間ベストのその他のコーナーに書き忘れた。ではまた次回。