『Holy Motors』@Festival de Cannes 2012


ついに!レオス・カラックス『Holy Motors』のポスターが公開。公式にアップされた本編からの抜粋動画(22秒)、及び、カンヌのプレスキット(WildBunch公式サイトにてダウンロード可)から推測するに、これはかなりエッジの尖った作品であり、凄まじい作品だということが強烈に伝わってきます。実際に作品を体験する前に批評めいたことを言うのは単なる余計なお世話でしかない(当然だ!)、ということを前提にして言いますが、おそらく『Holy Motors』の隠れ副題は、「ポンヌフの亡霊」ではないか、と勝手な推測をつけています。えーーその根拠は・・・実際に作品を体験してから述べます!あと、スチールやプレスキットから連想するに、今年生誕100周年の”ジョルジュ・フランジュ”はキーワードになりそうだね。


カイリー・ミノーグの出演が明らかになった!という段階での過去記事。
http://d.hatena.ne.jp/maplecat-eve/20110928



以下、カンヌ映画祭公式サイト上にアップされた『Holy Motors』公式情報(日本語&動画あり)。
http://www.festival-cannes.fr/jp/archives/ficheFilm/id/11257858/year/2012.html


以下、WildBunch『Holy Motors』公式サイト。驚愕のプレスキットがダウンロードできます!このプレスキットにはジャン=ミシェル・フロドンによるインタビューが採録されています。ひとつだけ紹介すると、「もしドニ・ラヴァンがNoと言ったなら、その役をロン・チェイニーチャップリンピーター・ローレミシェル・シモンにオファーしていただろう」。また、『Holy Motors』のファーストシーンにレオス自身が出てくることも明かされています。興味深いのはドニ・ラヴァン=テロリストであり、「ポスト9・11」であり、人種差別主義者をあえて主人公にした、というくだり。
http://www.wildbunch.biz/films/holly_motors


『Holy Motors』の抜粋映像からまず最初に想起したのは、過去のカラックス作品は当然として、クレール・ドゥニ『美しき仕事』におけるドニ・ラヴァンの舞踏でした。『Holy Motors』ではキラキラが反転して、ドニ・ラヴァン自身が発光しはじめていますが。『ポーラX』はクレール・ドゥニがいなければ完成しなかった、というエピソードはカテリーナ・ゴルベワが語っていましたね。撮影中に落ち込んで故郷に帰ろうとしていたゴルベワに、一緒に航空券まで取って、旅中に現場に帰るようやさしく促したのは、クレール・ドゥニです。カテリーナ・ゴルベワも含めた三人の関係についてはリスボンエストリル映画祭の過去記事も参考になるかと。
http://d.hatena.ne.jp/maplecat-eve/20111113


以下、クレール・ドゥニ『美しき仕事』におけるドニ・ラヴァンの舞踏。


以下、『Holy Motors』撮影現場のスチール。サマリテーヌの屋上でカイリー・ミノーグに演出をつけるレオス・カラックス&いつも一緒の愛犬と戯れるレオス。


以下『ドニ・ラヴァン 魔術的な身体』に関する過去記事と、『Holy Motors』を知る上でおそらく最も重要な、カテリーナ・ゴルベワに関する記事。


『Un Portrait de Denis Lavant』
http://d.hatena.ne.jp/maplecat-eve/20111115


Yekaterina Golubeva
http://d.hatena.ne.jp/maplecat-eve/20110824