DCPRG@新木場STUDIO COAST

タイトル未定

タイトル未定

DCPRGの『SECOND REPORT FROM IRON MOUNTAIN USA』リリース・パーティーに行ってきた。まず個人的に今回のアルバムで一番好きな曲は、アルバムの最後を飾る曲「Duran」で、この曲はアミリ・バラカの演説をボーカルチョップ風にスピンして、それが微分的にリズムに還元されていく、という、アジテーション音声によるテンションの高さが、ボクシングにおけるジャブのような細かいリズムを快楽的に楽曲に刻んでいく、という面白さがあると思う。いわゆるボーカルチョップもので、それ単体でこのような変異のリズム(ポリリズム)を刻むという実験は、個人的にはちょっとこれまでに聴いたことがないものだった。


で、ここが今回のアルバム(祝!海外進出)の個人的に肝なんじゃないかな?と思っているとこだったりする。今回のパーティーは、相模原アンダーグラウンドのSIMI LABの客演ステージにあまりにも大興奮してしまい、フロアでジャンプしまくってしまったのだが(久々にこんな我を忘れて踊ったね!大汗です)、SIMI LABのライムが、これまた菊地成孔氏の言うところの「訛り」(曰く、HIPHOPは「訛り」だ)ド真ん中で、DCPRGの演奏に壇上で踊るSIMI LABクルーのダンス&ライムのちょっと痙攣的なリズム感、マイクリレーに、たとえば古典的なブルースメンが持っている体内リズム(彼らはギター一本で凄まじいグルーヴを作ってしまう)の交錯を見た。というか、このライムの個々の「ズレ」こそが「訛り」であって、それが交錯すると(ポリ)リズムになるのだな、と思った。いやはや、HIPHOPは生で体験しないと本当に分からないものだね。おそらく私はHIPHOPをCDで聴く際、いつの間にかトラックの斬新さを偏重するようになっていたのだと思う。HIPHOPってそうゆうことじゃない。SIMI LAB、最高!あと、大谷さんのライミングも生でこそ輝くね。音楽は予測不能な生き物だ!


前座のキラースメルズ(おどろいた&菊地さんがコーラスやってるのも凄い)も含め、最高のパーティーだった。「訛り」が完全にバンドの演奏に血肉化していて(でもこれは菊地さんがずっとやってきたことなのだ)、ドラムソロに至っては、オールドスクールHIPHOPのリズムを基調にしながら、それが寸止めされては、細かいリズムに拡散されていく、という「訛り」ぶり。まるでライミングのようだった。これは凄かったね。アンコールで特別に披露されたDCPRG×SIMI LABのマッシュアップ(「ミラーボールズ」に胸熱のライムが乗る!)には、ひたすらジャンプ&涙、涙だったよ。間違いなく私がDCPRGのライブで体験した中でベスト・オブ・ベストのパフォーマンスだった。DCPRGとSIMI LABが海外でライブするとか、想像するだけで胸熱なんですけど!


追記*ギターの大村さんのメタラーぶり(カッコいい!)というか、T.M.レボリューションぶりというか、大黒摩季ぶりに吹く風に痺れた。