『イン・ベッド・ウィズ・マドンナ』(アレック・ケシシアン/1991)
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2007/03/23
- メディア: DVD
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ジム・ジャームッシュが大傑作『リミッツ・オブ・コントロール』で「Diamonds Are a Girl's Best Friend」という『紳士は金髪がお好き』(ホークス)のフレーズを言霊のように繰り返し響かせるのはシネフィル的な遊戯というよりも、これはもうほとんどNY的なセンスだと思える。マリリン・モンロー「Diamonds Are a Girl's Best Friend」〜マドンナ「マテリアルガール」への接続はアメリカのポップ史が如何に広大な歴史の上に成り立っているか(参照元が常にある→コスプレ/フェイク)ことを思い知らせてくれる最も分かりやすい例であって、近年ではハーモニー・コリンの『ミスター・ロンリー』を思い出してみるまでもなく、NYのアーティストによるポップ史上の偉大なアイコンへの「コスプレ=まがいもの」への偏執はポップアート以降受け継がれる精神、20世紀と21世紀を繋ぐ伝統芸ともいえるものでしょう。ジャームッシュが『リミッツ・オブ・コントロール』でフェイクとしてのフィルムノワールを撮り上げ、其処にこのフレーズを乗せた、ということに、とても興味がある。
『紳士は金髪がお好き』を模した「マテリアルガール」のPV、この頃のマドンナがコスプレ期ならば、ポップアイコンとして絶対的な地位を築いた90年前後は贖罪期と言える。この頃のマドンナは複合的なコンプレックスを前面に出してくる。「母」と「妹」、「闘う女」としての立場がメクルメク入れ替わるというか。ツアーの最中、ゲイのダンサー全員とマドンナがベッドで繰り返し合唱する言葉がとても示唆的だ。
”お金はあるけど、何も買えないマドンナ!”
彼女はフェイクとしての自身を自覚している。
フェイクとしてのコスプレでポップ史上の偉大なアイコンに近づくことに憧れた一人の少女は、何処までもフェイクとしての自分に自覚的だったが故に、フェイクがフェイクを超え真実との境界線を失うに至る、その過程を示すことに成功した。これは世界のズレと何処か似ていやしないだろうか。でもって、どこまでもNY的だといえないか。もはやVIPルームでしか踊れないマドンナが『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』でダンスフロアに帰還したのが感動的だったのは、フロアとのズレをダンスの歓喜と共に乗り越えてやろうという野心が、野蛮なまでに炸裂しているからだと思う。再びマドンナは過程を示す。あの野蛮なまでに素晴らしいABBAのサンプリングと共に!
『イン・ベッド・ウィズ・マドンナ』と関係ない方向に行っちゃいました。幼少時に子守唄の如く聴いていたのがマドンナとマイケルなもので、、。話題のベストアルバムは「アメリカンパイ」が入ってないことだけが残念。ちなみに画像の頃のマドンナが一番好き。
- アーティスト: マドンナ,ジャスティン・ティンバーレイク,ティンバランド
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2009/09/30
- メディア: CD
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