2013年ベスト 50枚 〜音楽編〜

1.Janelle Monae 『The Electric Lady』

今年の一枚を選ぶとしたらこのアルバムだった。聴き込めば聴き込むほど味わいが増していくアルバム。ロン・ハワードの撮ったJay-Zドキュメンタリー映画にもジャネール・モネイは出てくるんだけど、パフォーマンスが完全に別次元だった!ステップを踏むその足さえキラキラと星屑が舞ってしまうようなパフォーマンス。心底震えたね。エレクトリック・レイディ、恐るべし!個人的には彼女と同じ感覚を持っているアーティストはアウトキャストアンドレだと思う。ポリー・マグーなジャケットも素晴らしい!
2.Speedy Ortiz 『Major Arcana』
Major Arcana

Major Arcana

メロディよりも演奏の推進力が高いという意味で、また、ニュアンスの大らかさという意味で真に90年代初頭的な自由さを獲得しているギターポップではあるけど、ではスピーディー・オーティズが90年代オルタナのコスプレか、と問われたら一概にイエスとは答えられない。ガチガチに固められたわけでもこじらせてしまったわけでもない。変態的な楽曲の展開はすこぶる健康的。たとえば初期のコートニー・ラブは「ハハッ」と笑うだけで空気を切り裂く音楽になったね。そういう雰囲気をこのバンドは持っているんだ。コスプレをすることで獲得したのではなく、ほとんど偶発的に90年代初期の大らかさに接近してしまった稀有なバンド。素晴らしい。
3.The Men 『New Moon』
New Moon

New Moon

個人的に現代ロックンロールで最高のバンドはこのザ・メン。どんどん聴きやすくなってるけど、芯となる部分はまったく変わらない。やっぱりザ・メンは残響を信じているからね。効率的な部分と非効率的な部分(ザ・メンの強味だ)のバランスが研ぎ澄まされていった結果のポップ。オルタナカントリーなまさかの展開で幕を開ける新譜はザ・メンの音楽的な好奇心をザ・メンの中で見事に昇華した大傑作。ロックンロールはこうでなきゃ!
4.Childish Gambino 『Because The Internet』
Because the Internet

Because the Internet

年末にリリースされた最高のコズミックなHIPHOPアルバム。最高!サンダーキャットが参加した「Shadows」のコズミックソウルな展開、アジーリア・バンクスとのハウス×HIPHOP、ジャネイ・アイコとの楽曲まで参加者のそれぞれの色がきっちり出ているのもいい。楽曲の展開が読めない驚きに満ちている。
5.Body/Head 『Coming Apart』
Coming Apart

Coming Apart

キム・ゴードンのこのプロジェクトには悶絶!去年のジョゼフ・ヴァン・ヴィセムジム・ジャームッシュのアルバムと双璧であり、何より音が凄いということの殺傷力に驚かされる。とてつもなくいい音。架空の女優。モノトーンの色彩を使って音で空気を切り裂き、音で空気の隙間をうねっていく女優の亡霊。大・大傑作。
6.Blood Orange 『Cupid Deluxe』
Cupid Deluxe

Cupid Deluxe

ソランジュの傑作EPのプロデューサーによる大傑作。インディR&Bの興隆を含めすべてと噛み合ってしまった鮮やかさに満ちている。ソランジュのEPと共に2013年を思い出すとき最初に挙がるようなアルバム。
7.Jenny Wilson 『Demand The Impossible!』

スウェーデンの女性シンガーソングライターの4枚目。まったくスウェディッシュな感じではないです。様々な音楽が交叉していく。ポリリズミックなトラックの上でスピリチュアルに歌い上げたかと思えば、インディR&Bのように軽やかにメロディを歌ったり、突然アジテーションのような語り口調の歌がはじまり、果てはヴォコーダーを使ったコズミックな曲へ。多様な音楽が交錯する真にコスモポリタンなポップミュージック。
8.Kanye West 『Yeezus』
Yeezus

Yeezus

このアルバム、ファーストインパクトは間違いなく1位だね。本当に衝撃的だった。カニエがこじらせていることは十分承知していたつもりだったけど、ここまでとは。とてつもなく大きなものと闘う怪物の姿しか見えない。恐ろしい。
9.T.E.A.M.S 『Sierra City Center(Diamond Club)』

黒人さんの奏でる一応シューゲイザーなんだけど、相当特殊なシューゲイザー。ナイトレンジャー(ハードロックの方じゃないよ)の1stが持っていた宅録チルアウト・ディスコが一気にシューゲイザーにスパークした趣き。似てる人が思いつかない。面白い。
10.Vampire Weekend 『Modern Vampires of the City』
Modern Vampires of the City [輸入盤CD] (XLCD556)

Modern Vampires of the City [輸入盤CD] (XLCD556)

ヴァンパイア・ウィークエンドの新譜はハッチャケぶりが後景に回ったのと引き換えに、ポップミュージックとして研ぎ澄まされていく幸福な音楽的洗練が、都市生活者の喪と共に綴られるかけがえのないアルバムだ。繰り返し聴くことでその思いはますます増していく。カノンの響きに彩られたこのアルバムはピアノによる祈りのような曲で終わるのだ。発売当初よりいまの方が好きだ。
11.Austra 『Olympia』
Olympia

Olympia

アウストラの新譜は自分の中でいつの間にか前作より上位に立っていた。ゴシックなダンスミュージックという彼女たちの音色に対するこだわりは前作を遥かに上回っている。跳ねるリズムとアレンジの妙が地味に素晴らしい。
12.Frankie Rose 『Herein Wild』
Herein Wild

Herein Wild

元ヴィヴィアンガールズという肩書きは完全に要らなくなった。1stに仄かに漂うコズミックな世界観が傑作2ndで完全に開花、この新譜で完璧な深化を遂げている。フランキー・ローズにしてもダムダムガールズにしても実はスミスの影響が濃いんだなとも確認できる。このアルバムのラスト「レクイエム」という曲を寝る前に聴くのが習慣だった。美しいアルバム。
13.Solange 『True』
True (Pa)

True (Pa)

今年のモードは年始にソランジュのこのEPを聴いて決まったようなもの。去年傑作シングルを聴いたときは初期マドンナみたいだと思い、新しい流れが来ていることを感じとても興奮した。ソランジュの動きから目が離せない。
14.Coyote Clean Up 『2 Hot 2 Wait』
2 Hot 2 Wait

2 Hot 2 Wait

今年の私的エレクトロNo.1はこのアルバム。泣けるエレクトロ。歌がなくとも鼻歌できてしまうエレクトロ。メロディセンスに長けた極上のダンスミュージック。
15.Mikal Cronin 『Mikal Cronin』
Mikal Cronin

Mikal Cronin

イカル・クローニンは新譜ではなく前作を。今年初めて聴いたので。これは本当に素晴らしい!抜群のメロディセンスは新譜と変わらず、こちらはタイ・セガールくんと一緒にバンドやってた頃の色が少しだけ濃いかな。タイくんと昔一緒にやってたバンドはグシャグシャで楽しかったけど、こちらはコーラスワーク含めアレンジがもっと整理されていて、且つ、いざというときの爆発力がタイくん譲りというバランスも美しい大傑作。
16.Perfume 『LEVEL3』
LEVEL3

LEVEL3

パフュームの新譜の圧倒的な素晴らしさは、いままでと変わらない特殊な音圧処理によるサウンド構築に極端なまでにスポットを当てた拡大化にあると思う。徹底的にフロアで響かせることを意識したプロダクションはヘッドフォンで聴いていては決して分からないよ(本当に!)とてつもなく中毒性のあるアルバム。快楽性が高いんだ。ちょっと危険なくらいに。
17.Run The Jewels 『Run The Jewels』
Run the Jewels - Deluxe Edition [輸入盤CD] (BDCD240)

Run the Jewels - Deluxe Edition [輸入盤CD] (BDCD240)

エルPとキラー・マイクによるプロジェクト。去年出た二人のそれぞれの新譜より好き。ぶっちぎりのカッコよさ。閃きに満ちている。
18.Jay-Z 『Magna Carta Holy Grail』
Magna Carta Holy Grail

Magna Carta Holy Grail

Jay-Zの新譜はファーストインパクトはそうでもなかったんだけど、実は今年一番聴いたHIPHOPアルバム。評価が低いことが理解できない。当初は「Picasso Baby」や「Tom Ford」といったキラーチューンばっかり聴いていたけど、それ以外も文句なく素晴らしい。「BBC」のオールドスクールなトラックとか最高。Jay-Zのラップの素晴らしさをより味わい深く堪能できたアルバム。HIPHOPを聴く楽しさに溢れている。
19.Factory Floor 『Factory Floor』
Factory Floor

Factory Floor

DFAからリリースされたファクトリー・フロアのデビュー作はこのバンド名から想起できるまんまのハシエンダ!と叫びたくなるようなサウンドでダンスミュージックとしての快楽指数がとても高い。今年聴いたエレクトロサウンドの最高峰のひとつ。
20.Best Coast 『Fade Away』
Fade Away

Fade Away

ベストコーストの新作は最高傑作。1stのハッチャケぶりと2ndのやや大人になったサウンドプロダクションのちょうど間にあるような楽曲群で、前作では敢えて封印していたように思えるウ〜ウ〜コーラスもより強度を増した組み込み方で披露される。これをやらせたら最強だろ?という文句なしの出来。ウィー・ラブ・ベストコースト!
21.Heliocentrics 『13 Degrees from Reality』
13 Degrees from Reality

13 Degrees from Reality

コズミックジャズの新たな傑作。ときおりジミヘンのサイケデリアがアフロキューバサウンドに出会ったような幻覚的なサウンドを披露する。ストイックさよりいろいろな楽器で紡ぐサイケデリアと戯れることが全面に出たようなミュージシャンシップな求道ぶりに楽しくなる。ライブが凄そうだ。
22.J-Zone 『Peter Pan Syndrome』
Peter Pan Syndrome

Peter Pan Syndrome

J-Zoneのこのアルバムは今年出たエルヴィス・コステロザ・ルーツのアルバムの横に並べたくなるドラムの音のカッコ良さ。ミーターズみたいな「唄うドラム」の上にひたすらクールなラップが乗ったり乗らなかったりする。非常に音の快楽性が高いアルバム。
23.やくしまるえつこ 『RADIO ONSEN EUTOPIA』
RADIO ONSEN EUTOPIA

RADIO ONSEN EUTOPIA

やくしまるえつこのボーカルにエロスの風格さえ感じる。色彩の豊かさに驚かされるアルバム。批判が多かったと聞く相対性理論の新譜もとてもいい出来だと思う。楽曲を提供したももクロZ女戦争」のめくるめく展開の凄まじさにも唸る。あれは傑作チューンだった(繰り返し聴いた)。えっちゃん、凄いな。谷山浩子の「恋するニワトリ」カヴァーが泣ける。
24.Daft Punk 『Random Access Memories』
RANDOM ACCESS MEMORIES

RANDOM ACCESS MEMORIES

ダフトパンクの新譜は大人になったダフトパンクのメランコリックな哀愁に共感する。それまで最高にクールな存在だったダフトパンクが「ワン・モア・タイム」を出したとき、正直ダメだったんだけど、いま『ディスカバリー』を聴くとこれが長い長い期間を経た雪解けというか、とてもいいんだよね。ダフトパンクのこどもたちが今のポップシーンの真ん中にいる。それはとても幸福なことだと思う。
25.Foxegen 『We Are the 21st Century Ambassadors of Peace & Mag』
We Are the 21st Century Ambassadors of Peace & Mag

We Are the 21st Century Ambassadors of Peace & Mag

フォキシゲンの2ndは前作のボーカルがミック・ジャガーなら今度はジョン・レノンになってみましたという変化ぶり。後期ビートルズの転調がペイヴメントに出会ったようなサウンド。音楽的な素養がとにかく高い2人組で、唐突にスライのようなファンクが展開される楽曲とか、パッチワークのような展開力が面白い。すごいポテンシャルを秘めた2人だ。
26.Diana 『Perpetual Surrender』
Perpetual Surrender

Perpetual Surrender

ダイアナの紡ぐシンセポップはこの系統のバンドの中で頭ひとつ抜けていた。Rhyeとも共振するようなサウダージ感を持つキラーチューン「That Feeling」がやはり秀逸。80年代シンセサウンドを聴いていて一番キュンとくる要素だけで出来ているようなサウンド。結晶のようなダンスミュージックの傑作。
27.Jhene Aiko 『Sail Out』
Sail Out (Ep)

Sail Out (Ep)

アブ・ソウルやケンドリック・ラマーをフィーチャリングした傑作EP。ジャネイ・アイコの楽曲はシャーデーとはまた違ったサウダージ感に溢れているところがいい。マドンナ「Live To Tell」をサンプリングした去年のアブ・ソウルfeat.ケンドリック・ラマーの女性側からの物語を聴くような音色、切れ味、せつなさ。
28.Deerhunter 『Monomania』
Monomania [輸入盤CD] (CAD3307CD)

Monomania [輸入盤CD] (CAD3307CD)

ディアハンターの新譜はロックンロールのダラっとした狂気を思い出させてくれるという時点でもはや伝統的な趣きすら感じる快作。感覚的にはブルージーですらある。シューゲイズ・ブルース。この徹底した反時代的なだらしなさを心から愛したい。
29.L.Pierre 『The Island Come True』
The Island Come True

The Island Come True

アラブ・ストラップのエイダン・モファットによるラッキー・ピエールの改名。100年前に壊れたオルゴールが急に鳴りはじめたかのような響き。あるいは壊れたレコードプレイヤーが自動筆記的に鳴らす霊音。実はレオス・カラックスの『ホーリー・モーターズ』を見て、このアルバムのことを思い出していたのだった。
30.Rhye 『Woman』
Woman

Woman

Rhyeのボーカルが男性だったということには二重に驚かされた。2013年のエレンガント一番星。シャーデーのようなボーカルにストリングスを絡めたアレンジの品の良さ。そのくせピアノでリズムが跳ねるハウス経由の、、、と書いたところで、Rhyeは現代におけるゲイ・ミュージックの在り方そのものなのではないか、という仮説が生まれる。
31.Robin Thicke 『Blurred Lines』
Blurred Lines-Deluxe Edition

Blurred Lines-Deluxe Edition

ロビン・シックの新譜。これはメロウグルーヴの傑作、ダンスミュージックの傑作。ジャスティン・ティンバーレイクといい、ロビン・シックといい、ホント面白いね。ここにも参加しているファレル・ウィリアムスの次なる展開にも期待が高まる。ちなみに散々ブーイングされたAKBとのパロディPVも大好きだ。
32.Luscious Jackson 『Magic Hour』
マジック・アワー(MAGIC HOUR)(直輸入盤帯ライナー付国内仕様)

マジック・アワー(MAGIC HOUR)(直輸入盤帯ライナー付国内仕様)

ルシャス・ジャクソンの復帰作!物凄くいいタイミングで復活したね。ルシャス・ジャクソンのサウンドこそ、いまのシーンのモードに合ってる。で、これはとても素晴らしいアルバム。グランドロイヤル時代の自由な空気は何も変わらず、あのままの姉さんたちが音楽的な経年を経たアルバムに仕上がっている。そこが最高!
33.Thee Oh Sees 『Vol. 3-Singles Collection』
Vol. 3-Singles Collection

Vol. 3-Singles Collection

新譜ではどんどん音楽的な幅を広げていて素晴らしいのだけど、このベスト盤(?)のロックンロールぶり、ギターの音圧の絶妙さに痺れる。ザ・メンと共に現代ロックンロール最高のバンドはこのThee Oh Sees。 
34.Tim Chad & Sherry 『Tim Chad & Sherry』
Tim Chad & Sherry

Tim Chad & Sherry

ティム、チャド&シェリーはフォキシゲンと同じように音楽的な背景の素養が異常に高く、ブラックミュージック、ラテン、ダブ、ラウンジとなんでもありなエッセンスを70年代的なロックミュージックの質感やダンスミュージックの中にまぶしていく傑作。アレンジがちょっとフュージョン的でこれまたドラムの音がデカいところがよい。
35.Haim 『Days Are Gone』
Days Are Gone: Deluxe Edition

Days Are Gone: Deluxe Edition

クロエ・モレッツも大好きな大人気ハイム3姉妹のデビューアルバム。TLCが大好きって言ってるとこがいいね。ハイムのサウンドはソランジュの傑作EPとも共振していくなあ。ブラックミュージックだけじゃなくて、いろいろなジャンルの音楽のエッセンスを絶妙に交錯させていく手腕が本当に一級品。
36.Veronica Falls 『Waiting for Something to Happen』
Waiting for Something to Happen

Waiting for Something to Happen

ヴェロニカ・フォールズの2nd。前作の路線そのままに90年代初頭的な最良のエッセンスの何かに抵抗できない。「Teenage」「Broken Toy」のコーラスが鳴り止んだところで爪弾かれるギターのキラメキ。ヴェロニカ・フォールズのサウンドは本当に抱きしめたくようなサウンドだ。
37.La Sera 『Sees The Light』
Sees the Light

Sees the Light

ヴィヴィアンガールズのケイティのソロ2作目。去年のアルバムだけどより楽しめたのが今年なので。前作のDIY精神のソフトロック路線とヴィヴィアンガールズの3rdのサウンドのちょうど間にあるようなアルバム。ほんのりとした陽の暖かさに突然触れたときのような泣きたくなるような思い。そろそろヴィヴィアンガールズの新譜が聴きたい!
38.MGMT 『MGMT
Mgmt

Mgmt

賛否両論あったMGMTの新譜だけど、これは聴けば聴くほどいい。大好きです。サイケデリック実験工房としてのMGMTのコアに、とっつきやすさを振り切ってまで邁進している。MGMTが手掛けた傑作コンピ『Late Night Tales』の内容を知っているとより深く楽しめると思う。
39.Boads Of Canada 『Tomorrow's Harvest』ボーズ・オブ・カナダの新譜に何故か去年のアブ・ソウルfeatケンドリック・ラマーのアブストラクトなトラックを重ね合わせてしまう。ここにあるのは闘争的/逃走的なサイケデリアではなく、静穏な緊張感で迫る明日の黙示録。改めて大変な傑作だと思う。来年も繰り返し聴きたい。
40.Telekinesis 『Dormarion』
Dormarion

Dormarion

パワーポップの名手テレキネシスの3rd。出色はなんといっても極上のシンセポップ「Ever True」。今年聴いた最高のキラーチューンのひとつ。シンセのシンプルでノスタルジックな音色がこのメランコリックなアルバム全体の印象を支配している。
41.Unwound 『Kid Is Gone』
Kid Is Gone [Analog]

Kid Is Gone [Analog]

Unwoundは去年のMetzにも通じるDCハードコアとグランジを抜群の切れ味で聴かせるバンドで、演奏の雰囲気というか音の質感がこちらに突き刺してくる並々ならぬインディロックの魂というか、ぶっちゃけ貧乏っぽいところが素晴らしく、それはグランジ前夜のバンドが持っていた「バンドサウンド」への大らかな愉しみ方と共振している。
42.PINS 『Girls Like Us』
Girls Like Us

Girls Like Us

PINSはmikkさんのブログで知った注目のポストパンクギャルバンド。サヴェージズの気合の入りまくったポストパンクぶりもカッコいいし好きだけど、たまに歌詞に恥ずかしくなるんだよ(スミマセン)。
43.Justin Timberlake 『20/20 Experience』
THE 20/20 EXPERIENCE

THE 20/20 EXPERIENCE

ジャスティン・ティンバーレイクによる下半身の音楽をつくることへの野心が、これまでの先鋭的なプロダクションを後景に置きながら、気品さえ纏っている!今年出した2枚のアルバムはそれぞれ狙いが明確でどちらも長く愛聴した。ジャスティン、最強!!
44.She & Him 『Volume 3』
Volume 3

Volume 3

SHE & HIMの最高傑作。ズーイー・デシャネルのオールディーズサウンドへの憧憬を完璧にコスプレしてみせることで、これまでのどの作品よりも突き抜けた内容になっている。コスプレを完膚なきまでに徹底するということの美しさ、情熱がこのアルバムにはある。マット・ウォードの深すぎる求道ぶりに打たれる。
45.J.Cole『Born Sinner』
Born Sinner

Born Sinner

ジェイ・コールの新譜は聴けば聴くほど味の出てくるアルバム。とにかく聴いていてやたらフックのあるライミングが純粋に耳に心地よい。ア・トライブ・コールド・クエストへのオマージュ、ケンドリック・ラマーをフューチャーした「Forbiden Fruit」も素晴らしい。
46.Kitten 『Like a Stranger』

17歳のクロエという女の子がボーカルを務める新人バンドによる傑作EP。今時のシンセポップではあるけど、細部までこだわりを感じるアレンジ、とにかく曲がよく書けてるのと、ときに語りかけるようなクロエのボーカルワークがとても魅力的。
47.V・A 『After Dark ?』
After Dark II

After Dark II

実質ジョニー・ジュエルの作品集。今年はジョニー・ジュエルの仕事を過去まで追ってみた。グラス・キャンディやクロマチックスの昔の作品はポストパンクだった。ポストパンクがエレクトロサウンドとリンクしていくいう、ある意味歴史の流れを踏まえたようなダイナミズムそのものを色鮮やかに現代に蘇らせている。デザイアーの新曲が入っているのが嬉しい!
48.Thundercat 『Apocalypse』
Apocalypse [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC383)

Apocalypse [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC383)

こんなにコズミックソウルだったけ?なサンダーキャットの新譜。フライングロータスによる対象への客観性を帯びたプロデュースもグッドジョブ。
49.Cass Mccombs 『Big Wheel & Others』
Big Wheel & Others

Big Wheel & Others

キャス・マッコムの新譜は前作の音の引き算によって研ぎ澄まされたクリスタルのような完成度(大傑作)とは異なる、この稀代のシンガーソングライターの本来の顔を見せてくれる。雑多でまとまりという概念を鼻から無視したアルバムだが、1人ヴェルヴェッツとも称されるこのアーティスト独特のタイム感によって紡がれる曲の輝きはやはり稀少だ。
50.V・A 『Saint Heron』
Saint Heron

Saint Heron

ソランジュ自身のレーベルコンピ。ジャネイ・アイコやキャシーを収録。隆盛を極めるインディR&Bの見本市。これ一枚でこのシーンの面白さを見渡せる。ソランジュの新曲も収録。早くネクストが聴きたい!


以上、50枚。今年は新譜を聴くのと同じくらい旧譜を振り返ることがやけに多かった年だった。ペイヴメントコートニー・ラブ、ブリーダーズ、そしてプリミティヴズ!ニュアンスの大らかさを求めていたんだと思う。

Slanted & Enchanted Luxe & Reduxe

Slanted & Enchanted Luxe & Reduxe

Live Through This

Live Through This

Lsxx: Last Splash-20th Anniversary

Lsxx: Last Splash-20th Anniversary

Everything's Shining Bright The Lazy Recordings 1985 To 1987 (2CD) [from UK]

Everything's Shining Bright The Lazy Recordings 1985 To 1987 (2CD) [from UK]


楽曲単位ではフォールズ「My Number」はキラーチューンだったな。勿論AKB48恋するフォーチュンクッキー」もね。ところでAKBは「恋チュン」だけじゃないよ。マイリクエストアワーNo.1の「Baby Baby Baby」をはじめ、これまでもブラックミュージック的展開は随所でしていたし、なかなか日の当たらない曲だけど「これからWonderland」なんて名曲ですよ。えーーー、著名人とか大人が踊る「恋チュン」自主PVはすべて大嫌いでした(笑)。というわけでAKBに偏見なく出会わせてもらった篠田麻里子さん、7年間本当にお疲れさま。知らなかった世界を知れて楽しかった!

恋するフォーチュンクッキー[劇場盤](特典なし)

恋するフォーチュンクッキー[劇場盤](特典なし)