『ノーカントリー』(ジョエル&イーサン・コーエン/07’米)

ハビエル・バルデムの顔がいいねとか、犬がいいねとか、探知機がいいねとか、銃声をはじめ音響処理が抜群だねとか、たくさん唸らされる箇所はあるのだけど、一番の見せ場ともいえる殺人を省略したところで嫌な予感がし、ひょっとしてこれ以上の見せ場がまだ用意されてるってことなのかな?と次の展開に期待もしたのだけど、結局トミー・リー・ジョーンズに”ノー・カントリー・フォー・オールドメン”を語らせるという意味づけの展開に走るや思わず拍子抜け、なんとも残念な気持ちにさせられる映画だった。この残念さとは最後の最後で「映画」が置き去りにされてしまったような残念さです。それまで相当よかったのに。出色は濁流の中、犬に追いかけられるシーン。あそこは素晴らしいと思う。

追記*ウディ・ハレルソンを見て久々『心の指紋』(マイケル・チミノ)が見たくなった。