『シークレット・ディフェンス』(ジャック・リヴェット/97’)

日仏でリヴェット2本。一人研究所に残ったサンドリーヌ・ボネールが、物音に反応する冒頭のシーンが実にサスペンスフルに巧い展開で唸らされる。この映画、列車で移動するシーンがとても多い。どれくらい多いかというと、列車に乗り込んで次の駅で降りてまた乗って次の駅で反対側のホームに移動してまたまた乗車するという。しかもその間の各駅間の移動も余さず映している。で、それこそが素晴らしい。これだけで画面が持続してしまうというマジック。御馴染みウィリアム・ルプチャンスキーのカメラは冴え渡っていて、他にも屋内(屋敷)から屋外(庭)へ抜けるカメラとか、緩やかに動くカメラはどこをとっても素晴らしい。しかしちゃんと事前に配られたシノプシスは読むべきだった。見た後で、あらこんな展開だったのねって分かったり。字幕なしはちょっとしんどかった。