『ハポン』(カルロス・レイガダス/2002)

先日DVDで見たリサンドロ・アロンソ『死者たち』は、この作品への強烈な批判として機能すると思う。似たような物語を持つ両作品における撮影、演出、編集の質の差に触れれば、リサンドロ・アロンソの演出が現代映画を撮ることを如何に真摯な態度で志しているか、『ハポン』のカルロス・レイガダスが現代性を装いつつ如何に前時代的な演出家か、の違いがハッキリ分かると思う。『ハポン』における動物の屍骸、性交の描写、この撮影、演出、編集は何に貢献しているか、大きな疑問を持たざるを得ない。よく似たシーンがアロンソの『死者たち』にあるだけに、余計に。粒子の粗いピント甘めのフィルム。メキシコの素晴らしいロケーションは撮影に活きてないと思うけど、作家の主張が煩わしい移動撮影よりも、奇妙な歌を唄う現地人の顔アップとかの方がよかったなー。『バトル・イン・ヘヴン』については寝てしまったので書けません、、。


TIFF通いはこれで終了。最大のハイライトはキアロスタミの作品を、しかも『シーリーン』という極端な構造の作品を、ミニシアターサイズではなく特大サイズのスクリーンで見れてしまったこと!