『男性・女性』(ジャン=リュック・ゴダール/1965)

マルコムXはリンディ・ホッピングで内気な性格を克服したらしいけど、バラク・オバマ氏はどんな音楽を聴いて育ったのだろう?と気になって仕方がない本日、『男性・女性』をDVDで久々に。


質問好きなジャン=ピエール・レオーが女の子から生のリアクションを引き出し、女子の反応がカメラ/私たちに反射するという歓喜。「きみの胸の形が好きだ」と言われたシャンタル・ゴヤの笑顔が素晴らしい、、、てか可愛いすぎる!灯りを消したベッドの中、暗闇に浮かび上がる彼女の儚げな顔が忘れられない。「すべてはもっとも残酷な星地球の、石より冷たい人間の物語」。


スタンドカフェでの完璧なる長回しでは、即席レコードに愛の告白を録音したレオーのバックにシャンタル・ゴヤのフレンチポップが流れる。このすぐ後、コインランドリーのシーンで特にカットを切る必要がないにも関わらず、異様に細かくカッティングしてるのが面白い。細かいカッティングがアクションを生んでいる。これが出来てこその長回しだよ、ということでしょうか。


さて、この作品の公開から約半世紀が過ぎようとしている今、状況こそ複雑化しても問題はそれほど大きく変わっていないのかもしれないとも思った。「無自覚ながら質問は客観性を欠いていた。だから回答にも誠実さが欠けていた」、「平均的なフランス人女性などいない」。