『フリーゾーン』(アモス・ギタイ/05’)

シネフィルイマジカで。アモス・ギタイナタリー・ポートマンナタリー・ポートマンイスラエル系の血を引くということでこの組み合わせが実現したのだろうか。冒頭、彼女が泣いているアップのショットが長々と10分近く続くというところで思わず躓きそうになるも、その後の国境越えロードムービーへの展開がかなりよくてノレた。車での移動中、まるで幾層もの時間を交錯させるように多重オーヴァーラップの前景と後景が頻繁に入れ替わったりする。このへんの技法はあんまり好みじゃないのだけど。それよりも車内の女性2人と車外の人間とのやりとりが終始とてもエキサイティングだった。イスラエル女性とパレスチナ女性のやりとり(金銭の貸し借り)もどこか可笑しい。「アメリカの女」ことナタリー・ポートマンのナビゲーターを勤めるハンナ・ラズロという女優さんがとてもよくて。出色は火事のシーン。この凄まじい光景を見れただけでも価値アリ。