『ボリシェヴィキの国におけるウェスト氏の異常な冒険』(レフ・クレショフ/1924)


アテネフランセにてフセヴォロド・プドフキン特集。お腹の音が鳴りやすい(消化の音)体質なのでサイレント映画の上映会はかなり冷や冷やものなのですが、ボリス・バルネットも出てるしこれはいかなきゃと。で『ボリシェヴィキ〜』ですが、これは強烈な面白さ。このあとに上映された『母』のような構図がガッチガチに審美的なロシア構成主義的なる画面を予想していたのですが、そうゆう要素も其処彼処に孕みつつ、どちらかというとアメリカ映画、それも最上級の活劇が連綿と炸裂している。だって馬とか銃とかね、一見飄々とやってのけてるけど結構命懸けのアクションとかね、仰天ものです。『ボリシェヴィキ〜』と『チェス狂』が放つスラップスティックな笑いを浴びながら「トムとジェリー」を思い出していました。ああいう無茶な喜劇の連続。何よりカッコいい映画なんです。