『ハンガー』(スティーブ・マックィーン/2008)


評判の高い『クスクス粒の秘密』(アブデラティフ・ケシッシュ)の当日券を見逃す。残念無念。で、カンヌでカメラドール(新人賞)を獲ったという『ハンガー』。人糞で塗り固められた牢獄の壁面がとてもそれとは思えない綺麗な模様を作り出しているのがまず印象に残る。囚人たちが溜め込んだ尿を壁の隙間から扉の隙間から故意に漏らす(抵抗)という画も、また寝ている横で蠢くうじ虫の大群も、むしろ生々しさを周到に避けたヴィジュアル・アーティストらしい(?)処理をしている。少しだけ良いなと思ったのは、冒頭で血だらけの手を洗う鬼監視員の傷の原因が分かるところ。しかしこの作品の生真面目さとか骨太さとかはどうにもこうにも、、、個人的にはパスで。