『西暦01年』(ジャック・ドワイヨン/1972)


日仏学院ジャック・ドワイヨン特集「女たちに愛されたかった少年」で4本。


『西暦01年』はドワイヨンの商業用長編第1作。ジャン・ルーシュ(ナイジェリアロケ担当)とアラン・レネ(ニューヨークロケ担当)という超豪華メンバーでの競作。西暦01年=新たなゼロからの歴史を目指せ、ということで68年革命以後の(自由)をユーモアたっぷりに描いた極めて瑞々しい作品、というより最初っからこんななのかよーと、限りなく嫉妬に近い感じで仰天してしまった。これが才能というやつですか。。。


「革命に盛り上がる民衆を沈めることはできても、何もしない民衆を止めることはできない」(意訳)と警察が嘆くように、民衆による「労働の拒否」がこれでも喰らえとばかりに喜劇として描かれている。画面を充実させる刺激的なアイディアがてんこ盛りで、例えば集団で自転車をひっくり返して肉体労働のパントマイムをする場面とか、男女の裸の美しさ(なんとゆうかちょうどよくキレイ)とか、いろんな閃きにイチイチ感銘を受けてしまった。この種の捻りに捻った挙句に多幸感が炸裂するという作劇は、まだまだ可能性がある気がする。ほえェェー、なんてこった。