野蛮人の会

日比谷野音にて菊地成孔ペペ・トルメント・アスカラール+東京スカパラダイスオーケストラのライヴ。最初に菊地さんの指揮で弦楽団が音を出したその時点でもってかれた。亡霊の召喚術みたいですよね、ペペって。効きすぎた。凄すぎた。その場で失神してしまうんじゃないかと思ったよ。喪失と獲得の因果な関係。ペペを聴くということは胸をエグられるかどうかの強烈な痛みを伴う詰まるところ心臓抜きの問題ですよ。新曲も素敵ですね。ここでしなきゃ何時するのよって自然とスタンディングオーベイション。そんなわけでペペのアルバムはやっぱ生涯の一枚だなぁ。胸の深いところで効きすぎる。

野生の思考

野生の思考

スカパラを熱心に聴いてきたわけじゃないので完全アウェーかも!?って仄かな不安も「Ska me crazy」で一気に吹き飛ばされる。超楽しかった!ええ、そうですとも、気づけばポゴダンスを夢中で踊っていましたよ。スカパラファンに悪い人はいないのだ。アンコールでは菊地さん(半ズボンでなんかロック少年みたい!)も混じって宴の打ち上げ大会。楽しすぎた。あっという間の2時間半。全然足りないよ。この続きはペペの単独公演で。行きますともッ。


追記*スカパラで昔よく聴いていた曲はデューク・エリントンのカヴァー「In a sentimental mood」です。コルトレーン&エリントンのヴァージョンもこよなく愛しています。コルトレーンが御大にちょっと気を使ってるような緊張と誠実さが滲み出ていてエレガント。

デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン

デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン


ペペの音楽が想起させる歴史上の音源ってアストル・ピアソラガトー・バルビエリってところなんだろうけど(しかし自分はそれなりに音楽を聴いてきたと思うのだけどペペみたいな音楽って未だ見つからない)、今日ペペの複雑なリズムを聴いていて何故だか思い出したのがアート・ブレイキーが「リズムの饗宴シリーズ」としてブルーノートに実験的に残した音源。ドラム3台+コンガのサブー・マルチネス(!)たちによるリズム、リズム、リズムの猛烈な嵐。これ20歳くらいの時よく聴いていたのですよ。さすがに「ナイアガラロール/爆布」はないけどね。

Orgy in Rhythm 1 & 2

Orgy in Rhythm 1 & 2

The African Beat

The African Beat

終演後、大学の後輩であり美学校生のK氏と回転寿司。楽しゅうございました。