『嵐が丘』(ジャック・リヴェット/85’)


ソフト化されているせいか、これだけ整理番号が異様に早かったのだけど、ホント素晴らしい作品。少女映画の傑作じゃないでしょーか。直情的、情熱的なヒロイン=ファビエンヌバーブの所作から全く目が離せない。時折見せる開放的な姿態もエロチックだし。あたかもカメラから逃げるように半転を繰り返す動きとか味わい深い。冒頭の全力疾走はアレクサンドロ・アストリュックの『女の一生』の如く。『デュエル』や『ノロワ』のような分かりやすく尖った作家性は見えないけど、その分それらが洗練されて織り込まれているところが素晴らしいと思う。出色は帰還した青年がヒロインの視界を手で覆い、くるくる回転させながら離れると、青年の手首が無残に血まみれな悪夢のシーン、その後の鐘の音。『修道女』(66’)の反響?