微笑むブーデ夫人/Le Souriante Madame Beudet

ジェルメーヌ・デュラック『微笑むブーデ夫人』。サイレント期のフェミニズム映画。最近のセリーヌ・シアマは、アリス・ギイやデュラックから多くを学んでいるらしい。『秘密の森の、その向こう』にも確かにそのイメージが引用みたいな分かりやすい形ではないけど、応用されていますね。それにしても画面の半分以上を黒く塗り潰して人物を浮かび上がらせるマジック・リアリズムぶり。凄いイメージの連続です。

『ロザリンとライオン』

ジャン=ジャック・ベネックス『ロザリンとライオン』のディレクターズ・カット。初見なのだけど、こちらしか手に入らず。素晴らしい。傑作だと思います。

 

ベネックスの作品を再見も含め全部見ました(いくつかのドキュメンタリー除く)。『ディーバ』の前に撮った短編『ミッシェル氏の犬』も。『溝の中の月』で『ディーバ』以上にガッチガチにデザインされた映画を撮って、その反動で『ベティ・ブルー』を撮るという。『ロザリンとライオン』もだけど、人がわちゃわちゃするシーンにベネックスのイタリア映画好きを感じてキュンとします。

 

フランス本国のカラックス上げ、ベネックス下げなリアルタイム批評は、改めてやっぱ物凄く罪が深いと感じます、、。いやいや、どっちも凄いですってば。あんまりよい印象持ってなかった『青い夢の女』も、再見したらめちゃくちゃ面白かった。いまこんな映画撮る人なかなかいないです。