『コンクリート作戦』『コケティッシュな女』

ゴダールの初期短編を年代順に二本。このままゴダール全作いきましょうか。『コンクリート作戦』は、ゴダールがフィクション作品ではなく、人物を撮るわけでもなく、ここから始まったということが最も重要なことだと思う。映画のスペクタクルに溢れている。流れ作業、機械の労働の単純さというか。ウェス・アンダーソンのこだわりに通じるものがある。初めて映画を撮るなら人物を撮るのではなく、ここから始めなさい!と、学生時代の自分に会えるなら絶対そうアドバイスしますね。映画が構成されていく原理みたいなものが詰まっているから。

 

『コケティッシュな女』は心から素晴らしい。合図する、模倣する、コートの襟を立てる、女が走る、以上!それなのにこんなにも豊かな作品に仕上げてしまうゴダールは才能に溢れています。路上を歩かせたら既に最高レベルの撮影になっている。なんということでしょう。

 

ゴダール映画に関する言説にアレルギーを持っている方って、思いのほか沢山いらっしゃるのだなと最近感じました。たしかに下手なこというと怒られそうな雰囲気ありますもんね、、。それはそれで尊重しつつ、でも正直どうでもいいなと思っちゃいます。ゴダールの映画はごくごく単純に面白いからです。自分の見方で接すればいいだけ。カラックスによる追悼文は、本当に素晴らしかった!

『ケイコ 目を澄ませて』

三宅唱監督『ケイコ 目を澄ませて』試写。素晴らしかった!試写室出て、三宅監督におめでとうございます!って言いたかったです(探したけど既に不在でした。残念!)。ステップ、そしてさらに美しいステップへ。前からですが、三宅監督はリズム感が抜群ですね。そして泣かせる泣かせる。岸井ゆきの、素晴らしい。今年の日本映画ナンバー1作品。