『肉屋』(クロード・シャブロル/1969)


クロード・シャブロルステファーヌ・オードラン。輸入DVDで。モノ凄く充実した画面の連続なのだけど、前/後半でその意味合いはまったくもって対照的。冒頭における結婚式の宴や子供たちのお遊戯(オードランは女教師)など1ショットの全景が多幸感を帯びる前半と、フィルムノワールが突然変異したかのような深いフェードアウト/暗転に眩暈を起こす後半(激ヤバイです)。それにしても後半、屋敷に閉じこもるオードランの一連のショットの充実度ったら素晴らしい。階段を昇るとオードランが照明を消す影だけが画面に映るというあざといけど心憎い演出にも恐怖感は増すばかり。あと、そんなところに滴る血を落としますか!?というドキッとするアイディアもある。来月の「フランス映画の秘宝」で日本語字幕付で上映されるのだけど、行けるかどうか微妙なので先に見てしまいました。シャブロルの映画はカッコいいね。そしてステファーヌ・オードランの独特な艶。大好きな女優さんです。


「フランス映画の秘宝」。ジャン・グレミヨンは『父帰らず』から『曳き船』に差し替えられた模様。『父帰らず』といえばカラックス作品にも関連するのでちょっと残念だけど。
http://www.asahi.com/event/fr/


そして嬉しいニュース。エリック・ロメールの『アストレとセラドン』上映決定!
http://www.cinematopics.com/cinema/news/output.php?news_seq=7424