『模倣の人生』(ジョン・M・スタール/1934)


VHSで。原題を『Imitation of life』。この作品のリメイクが『悲しみは空の彼方に』(ダグラス・サーク)です。海外DVDでは2in1のセットで売られてたり(画像参照)。『悲しみは空の彼方に』のラナ・ターナーは女優を目指していたけど(女優を目指すには少しばかり年齢を重ねてしまった、というところがまた泣ける、というか実に素晴らしい)、『模倣の人生』のクローデット・コルベールは”ホットケーキの女王”。ある日転がり込んできた黒人女性ルイーズ・ビーヴァーズと共にホットケーキ産業で成功するという。物語の展開は同じなんだけど設定とかディテールはかなり違う。サークの方が黒人ママの死がじわりじわり迫るあたり残酷か。冒頭における娘(3歳くらい)のアップとクローデット・コルベールのアップが凄く瑞々しい表情を捉えていて引き込まれる。明るくやたら仲のいい母・娘が途中、微妙に対立しながらもやっぱり大の親友/親子だよねっていう設定(たとえば小津安二郎の『秋日和』とかヤバイ)に滅法弱いようで、予想通り泣く。この映画ハイライトであるゴスペル→葬送のあとに、とっておきの終わり方をするのだけど、それがホントね、時の流れを残酷に告げていて泣けるんです。傑作。


ダグラス・サークジョン・M・スタールの関係。『心のともしび』は『愛と光』のリメイク。『間奏曲』は『明日来りなば』のリメイクだそうです。『愛と光』(輸入DVDはあるみたい)も『明日来りなば』も未見です。