『目を覚ませ、わが良き友よ』(ピエール・ペロー/1970)


知られざるNFB/ONFドキュメンタリズム。アテネフランセにて。ダイレクト・シネマの旗手ピエール・ペローによる一篇。英語(イギリス)と仏語を公用語にもつカナダ、ケベック州(現在はこの州だけフランス語を公用とするとか)を舞台にした独立と故郷喪失者のアイデンティティに関する作品。大変面白うございました。高速ズームアップと低速ズームダウンもどこか活劇的で。サングラスの男(超アップ)ナメの遠景に船/又は二人のキスとか、雪原でのトナカイの密猟シーン、河を駆けるビーバーを追うショット、などが印象に残る。可笑しいのはシラミの話をするお爺ちゃん。たぶんこのお爺ちゃんが何処でもしてると思わしき18番の”持ちネタ”を別の時間別の場所で撮った映像(同じ小噺)とモンタージュさせるくだり。嬉々として笑いをとりたがるお爺ちゃんがファンタスティックです。内容についてはcontre champさんのところにカッコよすぎる(!)ドゥルーズの言葉が引用されてるので、そちらを。
http://d.hatena.ne.jp/hj3s-kzu/20080719