『コロッサル・ユース』(ペドロ・コスタ/2006)


2度目。久保田智子さんのトークショー付きで。テレビで拝見するよりずっと綺麗な方でした。なんでも小津映画が大好きだそうで、例のシンポジウムにも参加したとかいうツワモノぶり。お話はヴェントゥーラという曖昧な存在/その無時間性について。時間を気にしてか大変早口でお話しされてあっという間の30分でした。とても素敵な方ですね。もっとこういうイベントに参加してもらいたい。


さて『コロッサル・ユース』ですが、切り返すと時間が変わっているというこの映画の時系列が2度目観賞にも関わらず余計に分からなくなった。馬鹿な自分にはもう一度見たところで分かる気がしない。一番好きなくだりは、冒頭近くのヴェントゥーラ「ヴァンダ!」&背景真っ白な高層マンションの夢魔的な3つのカット割りと、市役所の役人&ヴェントゥーラの空白の部屋における一連のやりとりだと確認。個人的にはヴェントゥーラ=統合不全であり故郷喪失者であるブルーズメン(無時間を生きる)だと解釈しています。素晴らしい作品です。