『春のめざめ』(成瀬巳喜男/1947)

録画で。思春期の少女少年たちによる題名どおりの作品。先日見た『雪崩』や『驟雨』と比べるとそれぞれの物語が単純化されているからか、個人的に強い思い入れを持てないのだが、それでも、ただ、やはり。素晴らしい細部が盛り沢山に散りばめられている。ショットを振り向く視線の数々で繋ぐ諸々の画面連鎖や、何故か少年が逆立ちしていたり、皆で寝転がって合唱するところ、など多分忘れられない。少女が微笑む終わり方も味わい深い。