『ブルーフィルム 青の時代(1905-1930)』

ブルーフィルム 青の時代 1905-30 [DVD]

ブルーフィルム 青の時代 1905-30 [DVD]

ディープ・スロート』(ジェラルド・ダミアーノ)のドキュメンタリー『インサイド・ディープ・スロート』の中にどうやったって忘れられない強烈な映像がある。それは全米中にスキャンダルを振り撒いたこの一大ポルノ映画より遙か昔の古びた映像。アメリカ国内で性教育の為(という大義名分)に作られたフィルム(ブルーフィルム)のことで、性行為のあらゆる体位を実戦を交えて教育していく、という驚くべき内容なのだ。もうそれを見たときからブルーフィルムとアメリカポルノ史に対する強烈な興味が湧いてきて、今回やっと見てみた。で肝心の内容はというと、一言、、、驚愕ッ。1905年というと日本でいえば未だ明治時代。こんなアナーキーな性のフィルムが撮られていただなんて!体型的にはグラマー以前、ヴァンプ以前(ここらへんは下で紹介の大名著!『裸体の森へ』を興味のある方は参照してみてください)、むしろ近代以前の自然美といおうか、女性はふっくらした体もち。もちろんサイレント映画なのでやってることはエグくてもエロは感じない。むしろカッコいいくらいだ。そう、このカッコいいというところが最大の問題であり、個人的な最大の関心事であって、つまり素人にここまでのカメラ/照明の技術力は持ちようがないわけだ。解説には「まっとうな映画の片隅で隠れるように作られた」とあるが、ここにはもしかするとハリウッドの関与が認められるのではないか?ケネス・アンガーの『ハリウッド・バビロン』(この本、愛しています)的なめくるめくハリウッド・スキャンダルの世界を妄想して一人盛り上がってしまった。


さて、このDVDにどんな性行為が収められているかというと、獣姦上等な世界。これ以上は言えない、、、。