『裸体の森へ』(伊藤俊治)

裸体の森へ―感情のイコノグラフィー (ちくま文庫)

裸体の森へ―感情のイコノグラフィー (ちくま文庫)

菊地成孔氏がバイブルといって憚らない(『ハリウッド・バビロン』もそうか)本書。昨年か一昨年に復刊された際ようやく読み、今日もまた『ブルーフィルム』フィーバーで一気に読み直してしまった。嗚呼なんて素晴らしいのかしら。ヘンリー・ダーガーのヴィヴィアンガールズにも繋がってくような以下の文章を抜粋。ハマる人はドンハマりだと思います。


マネキンのように白い肌と巨大な乳房とペニスを備えた完璧なプロポーションを持ったラディカルなフォルム、濃いアイ・シャドーの奥で妖しく光るガラス玉のような瞳の赤毛のグラマー、スルカは人間としてももちろんだが、多くのシー・メイルたちのなかにあってもとび抜けて異常である。

つまり他の種と違って、特に人間の男、女という形は両性具有の変態形であると考えられる。(中略)男も女もその両性具有性へ戻ろうという傾きを常に抱え込んでいるといっていい。