『サッドヴァケイション』(青山真治/07’日)

DVDになったので再見。劇場で2度見たので3度目の鑑賞ですが、何度見ても万引きシーンが素敵でゾクゾクしてしまう。少年たちが首尾よく散らばっていく様子を捉える全体を俯瞰した画→それが中二階?にいる宮崎あおいの視点だと分かるショット→商品棚を挿む横移動から少年と宮崎あおいが遭遇する、と続いていく一連の流れ。痺れる!タイトルバックにおける空撮の、見ているこちらがフワリ浮かされるような妙なショットは、ラストのシャボン玉ときっちり符号している。だけど劇場で見たときの方が浮遊感はあったな。すべてを見下ろす赤い橋をバックに、間宮運送へ向かう宮崎あおいを捉えた「二度目のはじまり」も素晴らしや。ただ、すべてのショットに唸るというわけではなく、斉藤陽一郎光石研の「入れてください」のコントとか、これでいいのだろーか?と思ってしまう箇所もあるのだけれど。青山さんはデビュー作からしてまさにそうなのだけど、地方にノスタルジーとか情緒を求めないとこがいい。


「人生に偶然はないよ。会うべき人には必ず会う。そんなもんなんだよー」


ところで青山真治といえば『Helpless』でも『EUREKA』でもなく『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』が一番いいと答える自分のような人間は珍しいのかもしれない。


追記*『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』はテアトル新宿の初日舞台挨拶付きで初見したのだけど、感激のあまり青山さんとガッチリ握手したくなったのを思い出す。