『激しい季節』(ヴァレリオ・ズルリーニ/59’伊)

井口奈己監督が『人のセックスを笑うな』での永作博美のイメージモデルにしたと語っていた作品。そこらへんは自分が鈍感すぎて、いまいちピンと来なかったのだけど、魅力的な箇所がいくつもある作品だった。中断の映画といおうか(そういや『ラスト、コーション』も中断の場面が多かった)。目の前に迫った戦争不安を抱えながら、若者たちはダンスをする恋におちるという映画。特に屋敷で暗闇の中、レコードを流しグルグル踊る場面が泣ける。ふと外へ出ると遠くの空に照明弾が降っている。「照明弾がキレイだわ」とみんなで静かに眺めるところ。