『ゲアトルード』(64’/カール・ドライヤー)

アテネフランセにて日本最終上映。お互いに惹かれながらも(←おそらく)決して恋愛では結ばれず、大事に友情を育んできた男女が老後、おそらくもう二度と会うことのない別れ際に振る手の「サヨナラ」に涙する。UNLOVED又はLove will tear us apart。「高慢な魂」を持ったゲアトルーズの愛(私たちの愛)が極点に達したかのようなラスト、閉じられたドアから漏れ聞こえるのは孤高のレクイエムか。私の命日に墓場に埋めよと、アネモネの花に託すのは「転生」のことだろうか。アネモネ転生。鑑賞後、しばし茫然とする。