『ビデオドローム』(デイヴィッド・クローネンバーグ /82’カナダ)

スカパーで。ジェームズ・ウッズの腹が裂け、まるで女性器のような形状をしたその中にビデオテープという「記録」を入れると銃が出てくるという、蝙蝠傘とミシンならぬ銃と女性器という、なんとも直接的なシュールレアリスティックな表現も最高によいのだけど、移動を省略せず、いい絵面の場所を歩くシーンを丹念に撮っているのが尚更よい。ジェームズ・ウッズが最後に辿り着く場所が港ってのもこの上ない。船内でのモニターと入れ子状の関係を作るトリッキーな演出も大好きだ。新作の『イースタン・プロミス』は『ヒストリー・オブ・バイオレンス』に続いて傑作だと聞くし、クロネンバーグ、辿って見てみようと思う。