「装苑」 ウェス・アンダーソン小特集

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装苑 2022年1月号

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装苑 2022年1月号

装苑」さんにウェス・アンダーソン新作『フレンチ・ディスパッチ』評を寄稿させていただきました。偶然にもお隣のページに掲載されたアダム・ストックハウゼンのインタビューに出てくる固有名詞と自分の書いた原稿が重なり合っていることに本気で驚きました。ジャック・タチのアパートのデザイン。嬉しいですね。

 

フレンチ・ディスパッチの編集部は、このジャック・タチのアパートが巨大化したような建物の上層階に位置しています。ウェイターがエスプレッソやカクテルを、この編集部まで届けるシーンがロングの全景で撮られているのですが、扉を開けて入っていくところまでしっかりアクションつなぎの編集が施されていて、ホント最高!信じられる!ってなりました。この冒頭シーンだけで『フレンチ・ディスパッチ』に特大の価値があることを教えてくれます。

 

装苑さんとの仕事は、とにかく楽しかったです。記事のレイアウトを見せていただいたとき、物凄くテンションがあがりました。古川琴音さんの表紙も含めて、なんと素晴らしいデザインの数々、、!「私達がウェス・アンダーソンを好きなわけ」。ここまで自分たちの「好き」を明確に打ち出してくれるのは、本当に気持ちがいいことです。

 

あなたの作ったものは、ジャックと豆の木のように知らず知らずに誰かの心の中で大きくなっていく。だからまだ泣かないでほしい。”ノー・クライング”。という気持ちを込めて書かせていただきました。『フレンチ・ディスパッチ』の公開は1月で、まだ少しだけ早いのですが、お手に取っていただけると幸いです。よろしくお願いいたします。