CINEMORE映画評

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Ghost World

SNSは強引に引き合わせてしまった」という言葉について、しばらく考えている。SNSくらい好きなこと言わせてくれよという意見は正しいけど、自分はそういう風に付き合いたくない。あまりにも手軽すぎる。あまりにも暴力的すぎる。そんな風に感じるときは、そっと距離をとる。SNSを感情の便利なツールとして使いたくない。気を付けなくちゃならない。作品は批評の道具や、おもちゃではないことを。SNSが、なにか批評や言説にちょうどよい道具を探しているように思えてしまうときがある。映画に限らず。そんなゲームがあってもいい。でもそんなゲームには付き合いたくない。

 

ソーラ・バーチが言うように、『ゴーストワールド』はインターネット以前、SNS以前の世界を描いている。この作品がいまでも大切な作品だと思えるのは、イーニドの持つ感受性だ。イーニドは、疎外感を感じている人が、どうやってその場をやりすごしてきたかを感知している。その場をやりすごすために隠さざるをえなかった感情に寄り添っている。確かにSNSはマイノリティ同士を引き合わせてくれたかもしれない。でも困ったことに、個人の感情としては、逆に疎外感を感じる機会が多くなってしまっている。

 

などなど。

 

今年の4月からCINEMOREさんで映画評を書いています。新作のみならず旧作について書かせていただけるので、とてもありがたく思っています。

 

『約束の宇宙(そら)』

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『ビーチ・バム』

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悲しみよこんにちは

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『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』

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『1秒先の彼女』

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ゴーストワールド

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