映画監督のお気に入り　2013

海外各誌のベスト１０リストはどうしても似通ってしまってるリストなので少なめに。ここでは映画作家が選んだ２０１３年の映画ベストリストを纏めてみようかと思います。ペドロ・アルモドバルとかこういうリストを発表するのも珍しく、また、纏めたくなるだけの興味深い映画作家（個人的にはリサンドロ・アロンソ！）がリストを発表していたので。メディアではなく個人のリストで眺めていくとなかなか多様性が出てくるもんだなと思った。まあ、リストだけってのは常に味気ないものだと思ってるけどね。ただこの中の作品で、たぶん２年後とか５年後に初めて知る作品もあるんじゃないかと。そういうことが起こればまた楽しい。

【クエンティン・タランティーノ】
1.『Big Bad Wolves』（Aharon Keshales, Navot Papushado）

（以下は２０１３年の途中経過として選んだ１０本）
1.『Afternoon Delight』(ジム・ソロウェイ)
2.『ビフォア・ミッドナイト』(リチャード・リンクレイター)
3.『ブルージャスミン』(ウディ・アレン)
4.『死霊館』(ジェームズ・ワン)
5.『ドリンキング・バディーズ』(ジョー・スワンバーグ)
6.『フランシス・ハー』(ノア・バームバック)
7.『ゼロ・グラビティ』(アルフォンソ・キュアロン)
8.『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』(ジェフ・ワドロウ)
9.『ローン・レンジャー』(ゴア・ヴァービンスキー)
10.『This Is the End』(セス・ローゲン＆エヴァン・ゴールドバーグ)

【ペドロ・アルモドバル】
1.『殺人という行為』(ジュシュア・オッペンハイマー)
2.『La grande bellezza』(パオロ・ソレンティーノ)
3.『パラダイス：神』(ウルリヒ・ザイドル)
4.『パラダイス：愛』(ウルリヒ・ザイドル)
5.『アデル、ブルーは熱い色』(アブデラティフ・ケシシュ)
6.『Todas las mujeres』(マリアノ・バーローゾ)
7.『MUD -マッド-』(ジェフ・ニコルズ)
8.『シモンの空』(ウルスラ・メイエ)
9.『Todos queremos lo mejor para ella』(マル・コール)
10.『Stockholm』(ロドリゴ・ソロゴジェン)
11.『Metro Manila』(ショーン・エリス)
12.『La herida』(フェルナンド・フランコ）

【ジョン・ウォーターズ】
1.『スプリング・ブレイカーズ』（ハーモニー・コリン）
2.『Camile Claudel 1915』（ブリュノ・デュモン）
3.『Abuse Of Weakness』（カトリーヌ・ブレイヤ）
4.『アウトサイド・サタン』（ブリュノ・デュモン）
5.『After Tiller』（マーサ・シェーン）
6.『ハンナ・アーレント』（マルガレーテ・フォン・トロッタ）
7.『汚れなき祈り』（クリスチャン・ムンギウ）
8.『ブルー・ジャスミン』（ウディ・アレン）
9.『Blackfish』（ガブリエラ・カウパースウェイト）
10.『アイム・ソー・エキサイテッド!』（ペドロ・アルモドバル）

【ジョー・スワンバーグ】
1.『Tiger Tail In Blue』（フランク・V・ロス）
2.『死霊館』（ジェームズ・ワン）
3.『Pain & Gain』（マイケル・ベイ）
4.『Short Term 12』（デスティン・クレットン）
5.『Blackfish』（ガブリエラ・カウパースウェイト）
6.『女教師』（ハンナ・フィデル）
7.『The Spectacular Now』（ジェームズ・ポンソールト）
8.『Computer Chess』（アンドリュー・ブジャルスキー）
9.『Saturday Morning Mystery』（スペンサー・パーソンズ）
10.『オール・イズ・ロスト〜最後の手紙〜』（J・C・チャンダー）

【ダルジャン・オミルバエフ】
1.『汽車はふたたび故郷へ』（オタール・イオセリアーニ）
2.『ライフ・フィールズ・グッド』（マチェイ・ピェプシツァ）

【ドゥニ・コテ】
1.『スプリング・ブレイカーズ』（ハーモニー・コリン）
2.『誰の娘でもないヘウォン』＋『Our Sunhi（英題）』（ホン・サンス）
3.『湖の見知らぬ男』（アラン・ギロディー）
4.『When Night Falls on Bucharest or Metabolism（英題）』(コルネリウ・ポルンボユ)
5.『パラダイス：神』(ウルリヒ・ザイドル)
　　　　＋『ビル・ダグラス　３部作』(1972-1978)

【リサンドロ・アロンソ】＊当ブログで以前、傑作『死者たち』を紹介したことのあるアルゼンチンの映画作家。
1.『ザ・マスター』（ポール・トーマス・アンダーソン）
2.『熱波』（ミゲル・ゴメス）
3.『闇のあとの光』（カルロス・レイガダス）
4.『ジャンゴ繋がれざる者』（クエンティン・タランティーノ）
5.『Le Soupirant』（ピエール・エテ/１９６３）

【ホセ・ルイス・トレス・レイヴァ】＊チリの映画作家
1.『E Agora? Lembra-me』(ホアキン・ピント)
2.『Camile Claudel 1915』（ブリュノ・デュモン）
3.『湖の見知らぬ男』（アラン・ギロディー）
4.『ピクニック』(ツァイ・ミンリャン)
5.『Costa da Morte』(Lois Patiño)

【ジョナス・トルエバ】＊『Los ilusos』を監督した注目の若手作家
1.『Outtakes From the Life of a Happy Man』(ジョナス・メカス)
2.『El muerto y ser feliz』(ハビエル・レボージョ)
3.『湖の見知らぬ男』（アラン・ギロディー）
4.『Invisible』(ビクトル・イリアルテ)
5.『Viola』 (マティアス・ピネイロ)

【エドガー・ライト】
1.『ゼロ・グラビティ』（アルフォンソ・キュアロン）
2.『スプリング・ブレイカーズ』（ハーモニー・コリン）
3.『ブルージャスミン』（ウディ・アレン）
4.『ビフォア・ミッドナイト』（リチャード・リンクレイター）
5.『恋するリベラーチェ』（スティーブン・ソダーバーグ）
6.『Short Term 12』（デスティン・クレットン）
7.『The Spectacular Now』（ジェームズ・ポンソールト）
8.『プリズナーズ』（デニス・ヴィルヌーヴ）
9.『ブリングリング』（ソフィア・コッポラ）
10.『ラッシュ　プライドと友情』（ロン・ハワード）

批評家の選ぶベストリスト。

【ジョナサン・ローゼンバウム】
1.『スウィート・エクソシスト』（ペドロ・コスタ）
2.『The Last of the Unjust』(クロード・ランズマン)
3.『あなたはまだ何も見ていない』(アラン・レネ)
4.『Museum Hours』(ジェム・コーエン)
5.『Man Made Place』(Yu-Shen Su)

【リチャード・ブロディ】
1.『トゥ・ザ・ワンダー』（テレンス・マリック）
　『ウルフ・オブ・ウォールストリート』（マーティン・スコセッシ）
3.『ライク・サムワン・イン・ラブ』（アッバス・キアロスタミ）
4.『Computer Chess』（アンドリュー・ブジャルスキー）
　『Upstream Color』（シェーン・カルース）
6.『向かいにある夜』（ラウル・ルイス）
7.『罪の手ざわり』（ジャ・ジャンクー）
8.『アデル、ブルーは熱い色』(アブデラティフ・ケシシュ)
9.『An Oversimplification of Her Beauty』（テレンス・ナンス）
10.『Ain't Them Bodies Saints』（デヴィッド・ロウリー）
　　『Inside Llewyn Davis』（ジョエル＆イーサン・コーエン）
　　『Sun Don't Shine』（エイミー・サイメッツ）

【マット・ゾラー・セイツ】＊『ザ・ウェス・アンダーソン・コレクション』（名著）の著者
1.『殺人という行為』(ジュシュア・オッペンハイマー)
2.『フルートベール駅で』（ライアン・クーグラー）
3.『それでも夜は明ける』（スティーブ・マックイーン）
4.『Upstream Color』（シェーン・カルース）
5.『Inside Llewyn Davis』（ジョエル＆イーサン・コーエン）
6.『ゼロ・グラビティ』（アルフォンソ・キュアロン）
7.『ウルフ・オブ・ウォールストリート』（マーティン・スコセッシ）
8.『The Spectacular Now』（ジェームズ・ポンソールト）
9.『トゥ・ザ・ワンダー』（テレンス・マリック）
10.『パシフィック・リム』（ギレルモ・デル・トロ）

【マルコ・ミュラー】＊映画祭ディレクター
『ピクニック』(ツァイ・ミンリャン)
『北(ノルテ)―歴史の終わり』(ラヴ・ディアス)
『Orlando Ferito - Roland Blessé』 (ヴァンサン・デュートル)
『Tir』(アルベルト・ファズーロ)
『Hard to Be a God（英題）』(アレクセイ・ゲルマン)
『湖の見知らぬ男』（アラン・ギロディー）
『罪の手ざわり』（ジャ・ジャンクー）
『Her』(スパイク・ジョーンズ)
『Thwara Zanj』(タリク・テギア)
『Young Detective Dee: Rise of the Sea Dragon（英題）』(ツイ・ハーク)
（＊順不同）

海外メディアのベストリスト

【カイエ・デュ・シネマ】
1.『湖の見知らぬ男』（アラン・ギロディー）
2.『スプリング・ブレイカーズ』（ハーモニー・コリン）
3.『アデル、ブルーは熱い色』(アブデラティフ・ケシシュ)
4.『ゼロ・グラビティ』(アルフォンソ・キュアロン)
5.『罪の手ざわり』（ジャ・ジャンクー）
6.『リンカーン』（スティーヴン・スピルバーグ）
7.『Jealousy』（フィリップ・ガレル）
8.『誰の娘でもないヘウォン』（ホン・サンス）
9.『真夜中過ぎの出会い』（ヤン・ゴンザレス）
10.『ソルフェリーノの戦い』（ジュスティーヌ・トリエ）

【La Furia Umana】
1.『リヴァイアサン』（ルシアン・キャステイン＝テイラー＆ヴェレーナ・パラヴェル）
2.『THE CANYONS』(ポール・シュレイダー)
3.『Camile Claudel 1915』（ブリュノ・デュモン）
4.『パッション』（ブライアン・デ・パルマ）
　『エヴァの告白』（ジェームズ・グレイ）
　『トゥ・ザ・ワンダー』（テレンス・マリック）
7.『The Last of the Unjust』(クロード・ランズマン)
　『スプリング・ブレイカーズ』（ハーモニー・コリン）
　『毛皮を着たヴィーナス』(ロマン・ポランスキー)
10.『MILLE SOLEILS』(マティ・ディオップ)

【フィルムコメント】
1.『Inside Llewyn Davis』（ジョエル＆イーサン・コーエン）
2.『それでも夜は明ける』（スティーブ・マックイーン）
3.『ビフォア・ミッドナイト』（リチャード・リンクレイター）
4.『殺人という行為』(ジュシュア・オッペンハイマー)
5.『罪の手ざわり』（ジャ・ジャンクー）
6.『リヴァイアサン』（ルシアン・キャステイン＝テイラー＆ヴェレーナ・パラヴェル）
7.『ゼロ・グラビティ』（アルフォンソ・キュアロン）
8.『Computer Chess』（アンドリュー・ブジャルスキー）
9.『フランシス・ハー』(ノア・バームバック)
10.『Upstream Color』（シェーン・カルース）

【フィルムコメント】（米未公開映画）
1.『Jealousy』（フィリップ・ガレル）
2.『ピクニック』(ツァイ・ミンリャン)
3.『E Agora? Lembra-me』(ホアキン・ピント)
4.『誰の娘でもないヘウォン』（ホン・サンス）
5.『Abuse Of Weakness』（カトリーヌ・ブレイヤ）
6.『Our Sunhi（英題）』（ホン・サンス）
7.『The Strange Little Cat』（Ramon Zürcher）
8.『A Spell to Ward Off the Darkness』（ベン・リヴァース＆ベン・ラッセル）
9.『Story of My Death』（アルベルト・セーラ）
10.『Club Sandwich』（フェルナルド・エインビッケ）