DCPRG@恵比寿リキッドルーム

From No NewYork!先日、アート・リンゼイをゲストに迎えた新生DCPRGのライブに行ってきた。復活後のDCPRGのライブは合わせて3度目。毎回微妙に演奏の質が違う気がする。復活第1弾ライブ@野音DCPRGシンジゲート、アメリカン・クラーヴェのリッチー・フローレスとヨスヴァニー・テリー・カブレラが加わったことにより、よりポリリズミック、且つ、柔軟なリズムを披露していたのが印象的だったのだけど、新宿文化センターのライブは会場の特別な音響(ペペのライブが弱音を効かせていたように)が爆音装置としてホール的に炸裂する展開、そして今回はついにクラブ仕様なのか、と思いきや、アート・リンゼイを迎えたことが影響したのか、よりフリーキーな、そう、80年代頭の空気(リアルタイムじゃ知りませんが)、「No NewYork」の空気、が演奏に充満していたように思う。アート・リンゼイを迎えた「CATCH 22」の即興大会の楽しさに痺れながら、新生DCPRGは、そのときのゲストや、そのときの会場の空気で柔軟に変化していくのだな、と確信した。


アート・リンゼイがギターの最初の一音(ノイズ)をかき鳴らした瞬間の、アート・リンゼイ!としか言いようのない、この感動といったら!昔サーストン・ムーアを見たときも思ったけど、すごい人はホントにたった一音で存在を音の振動として放ってしまう。From No NewYork!From DNA!。こりゃ細胞レベルの問題なのかもね。このときのドラムソロのパターンがまた面白くて、ちょっとブラックよりな、後ノリな展開が披露されていくや、リキッドルームバスキアが召還されたような気分になったよ。ちょうどバスキアのバンドが、あの時代のフリーキーな空気を伝えていたように、この日のDCPRGの演奏には、あの時代と今を繋ぐドキュメントを目の前で感じた。


甘い悪夢。1曲目の「ジャングル・クルーズにうってつけの日」の前に50年代的なヒット曲(ジャケットがよく見えなかったのだけどコニー・フランシスかな?)が流れる、その魅惑的で危険なお菓子のような悪夢は、シンメトリーを閉じるように「ミラーボールズ」の直前にまたDJプレイされた。甘い甘い悪夢が大気中に霧散したあと、「ミラーボールズ」というフロアを多幸感で満たすダンスミュージックがフロアに放たれる。非常事態が日常的に続くこの世界(日本)に、ミラーボール(という名の地球儀)は自ら発光体となって、クルクルと回り続けている。素晴らしかった。


追記*帰りにリアルに甘いお菓子をいただきました(笑)。バスキアのやってたバンドはGRAY。ちなみに「キャッチ22」の元ネタ映画、『キャッチ22』(マイク・ニコルズ)も好きな映画です。

No New York

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Dna on Dna

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SHADES OF...(シェイズ・オブ…)(直輸入盤・帯・ライナー付き)

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キャッチ22 [DVD]

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