BRAINZ『超現代映画論』

佐々木敦塾長BRAINZ、赤坂大輔氏の講義に乗り込んできました。記憶だけを頼りに以下、参考上映(抜粋)の作品群。すごいラインナップでしょ?


マノエル・デ・オリヴェイラ『画家と町』
・アントニオ・レイス『Jaime』
ジャン=リュック・ゴダール『皆が練り歩いた』←違うかも。CMでした。
ジャン・ユスターシュ『わるい仲間』
チャールズ・バーネット『Killer of Sheep』
・ロブ・トレジェンザ『Talking to Strangers』
・ロブ・トレジェンザ『Inside/Out』
カール・ドライヤー『奇跡』
ジョン・フォード『リバティ・バランスを射った男』


オリヴェイラはカラー第1作。いきなりトンデモない作品(仰天)。恐ろしいほど透明度の高い夢魔的スペクタクル。汽車、市電、絵画、上昇、画家、スゴい。ペドロ・コスタのお師匠さんアントニオ・レイスの作品は同じく絵画を扱いながらオリヴェイラのいわば巨視的な視線とは対照的に人物こそ出てこないものの、もっと視線が絞られているとでもいうか。精神病院が舞台のドキュメンタリー。ルイ・アームストロングシュトックハウゼン音が割れるほどの音量で入っているとか。これも恐ろしい作品。ゴダールは画と音のリズムが多重層的にズレて、でもそれが一つの塊としてグルーヴを成すという、菊地成孔氏のDCPRGのようなコンセプトの作品。オーネット・コールマンの「ハーモロディック理論」の話が出ましたね。アフロ系アメリカンの映画作家チャールズ・バーネットは若きアレックス・コックスに衝撃を与えたという伝説の作品(というのを何処かで読んだ記憶が)。昨年アメリカでDVDが発売されました。『ヴェルクマイスター・ハーモニー』(タル・ベーラ)のカメラマン=ロブ・トレジェンザは、なんでもゴダールが絶賛してプロデュースまでした作家なんだそうです。『Inside/Out』の廃墟のような精神病院?でガレージロックが止みハープの演奏が始まるとこで鳥肌が立つ。ワンシークエンス・ワンショット。そして「上演の映画」は偉大な古典に還る。以上、赤坂氏の発言はレポートしませんが、とても刺激的な抜粋映像&講義でした。


マイルスも興味を持った(自伝でちょっと触れてる)というオーネットの「ハーモロディック理論」は、未だ解析できない理論というか、カルトというか、つまりオーネットによる「ハッタリ」では?と菊地成孔氏の東大ゼミで触れてた記憶があります(ユリイカのオーネット特集でも誰か書いていたような)。まぁ、私には楽理は分からないのだけど。でもオーネットって妙に唄心ありますよね。そんなわけで以下オーネットが当時10歳の息子をドラムに迎えて無茶なセッションをした珍アルバムを。これは菊地ゼミで聴いたのが最初の体験でした。これに付き合ったチャーリー・ヘイデンたち、、、微笑ましい。

ジ・エンプティ・フォックスホール (紙ジャケット仕様)

ジ・エンプティ・フォックスホール (紙ジャケット仕様)