『フォーエヴァー・モーツァルト』(ジャン=リュック・ゴダール/1996)
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2004/07/24
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『ボレロ』と名付けられた映画の撮影。映画女優と映画監督の間で繰り返される「Oui」と「Non」の応酬。いつでも儚い影としてスクリーンに投射される俳優という職業。いつ終わるでもない「Oui」と「Non」の応酬の果てに、砂浜に倒れこんだ女優にようやく「カメラ、オーケー。録音、オーケー」の合図がでる。しかしそのOKテイクさえも、やがて無残な戦死の静止画としてモンタージュされてしまう。ここで「俳優」は肯定されたのか否か。完成した映画の初日、映画館に並ぶ子供は「やっぱり『ターミネーター4』にしよッ」と一斉に帰ってしまう。誰も見ることのない映画。ここで「映画」は肯定されるのか否か。
「音符が多すぎる」優雅で軽やかなモーツァルトの楽譜がパラパラとめくれるラスト、これは『JLG/自画像』の白紙のノートときっちり照応している。とても美しい!