映画
2020年にリアルサウンドに寄稿させていただいた記事をここにまとめておきます。まとめるついでにオリジナルのタイトルを付けました。 シャーリーズ・セロン論「破壊せよ、とセロンは言った」 realsound.jp フローレンス・ピュー論「光の行方」 realsound.jp …
あけましておめでとうございます。若干、機を逸してしまった感あるけど、振り返りの記録としての年間ベストシネマ。2020年は「女優≠作家論」をテーマに、ジュリエット・ビノシュ論、シアーシャ・ローナン論をキネマ旬報に。シャーリーズ・セロン論、フローレ…
*[映画]『オン・ザ・ロック』(ソフィア・コッポラ/2020) あまりにも簡単に恋に落ちてしまう あまりにもすぐ、恋に落ちてしまう もっと学ぶべきかもしれない 痛い目にだってあっているのだから それでもあまりにも簡単に恋に落ちてしまう あまりにもすぐ、…
みなさま、よいお年を。年が明けて読んでくださる方には、新年あけましておめでとうございます。昨年は幸運にも敬愛するクレール・ドゥニ監督にインタビューする機会に恵まれたのと、ジュリエット・ビノシュについて書かせていただく仕事をいただいたことが…
2010年代、私の100本。当然まだまだ自分が発見できていない、名前すら聞いたことのない作品だっていっぱいあると思う。なので10年後に考えたら、また違うリストになるかもしれない。でも節目として残しておきたかった。ここに網羅したリスト100本はすべて好…
11.『ザ・マスター』/ポール・トーマス・アンダーソン(2012) The Master / Paul Thomas Anderson (2012) 偉大な建築物のような映画であり、同時にとてもパーソナルな映画のようでもある。PTAの最高到達点。 12.『ハイ・ライフ』/クレール・ドゥニ(2018) …
21.『バンコクナイツ』/富田克也(2016) Bangkok Nites / Katsuya Tomita (2016) 素晴らしい映画は下手な旅をするより、ずっと深い旅をした気分になれるとは友人の名言ですが、この作品は1週間くらい旅をしていた気分になれる映画です。「バンコク・・・shit…
31.『永遠の僕たち』/ガス・ヴァン・サント(2011) Restless / Gus Van Sant (2011) ミア・ワシコウスカとヘンリー・ホッパー。この二人の出会いこそがこの美しい作品の最大の功績。ヘンリー・ホッパーのラストスマイルはこの映画を愛する全員の心に永遠に…
41.『キャロル』/トッド・ヘインズ(2015) Carol / Todd Haynes(2015) 誰かを見つめていたいという気持ちや、誰かに心を奪われたり、うっとりするということは、夢の中にいる状態のことではなく、むしろ最も目が覚めた状態のことなのだな。素晴らしい! 4…
51.『マーサ、あるいはマーシー・メイ』/ショーン・ダーキン(2011) Martha Marcy May Marlene / Sean Durkin (2011) 昨日の私たちからどれだけ遠いのか?その残酷な画面の余白に自分がいることを発見するとき、『マーサ、あるいはマーシー・メイ』は、作品…
61.『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』/クエンティン・タランティーノ(2019) Once upon a time in Hollywood / Quentin Tarantino (2019) タランティーノが映画へ向けるロマンチックな愛憎や破壊願望がこの上ない幸せな形で昇華された。天国…
71.『ネオン・デーモン』/ニコラス・ウィンディング・レフン(2016) The Neon Demon / NicolasWinding Refn (2016) 美のバージョンアップ。美のメタモルフォーゼ。美しい生にも美しい死にもなれなかった女の子たちへの無言の切り返しショット。詳しくは過去…
81.『婚約者の友人』/フランソワ・オゾン(2016) Frantz / Francois Ozon (2016) 過ぎ去った恋を彼女は夢見る。過ぎ去った旋律を彼女は追いかける。映画の一番キレイな線が重なっていく瞬間がいくつもある。ピエール・ニネという突き抜けた美男子を突き抜け…
91.『パターソン』/ジム・ジャームッシュ(2016) Paterson / Jim Jarmusch (2016)朗読者としてのアダム・ドライバーの声の美しさに惚れ惚れする。引用される『獣人島』の原題は『Island of Lost Souls』。これほどジム・ジャームッシュの映画に相応しい言葉も…
あけましておめでとうございます。2018年は個人的に変わらなきゃと思って、自分を変えてみることを試みた一年でした。新しい一歩を踏み出した&その準備をした一年。これをベースにどんどん自分を変えていけたらなと思います。さて、年間ベスト。一位に挙げ…
「友達にはなれないけど、大好きだ」(スポッツ) 『犬ヶ島』において、少年アタリとボディーガード犬スポッツ、そして新たな相棒犬チーフはいまにも泣き出しそうな瞳をスクリーンに何度も浮かべる。口笛による木霊が人と犬の交感(この木霊は開巻早々、劇中に…
いったいどうやって撮ったんだ!?ロングショットが意外と多いのに、やけに密着感、親密感が残るのは、ギャー!とかイェー!とかウォー!とか、セレブレーション、カモン!よろしく、ハイテンションな子供たちを笑いながら見ている自分の視線がまるごとこの…
新年あけましておめでとうございます。さて、2017年は松本俊夫特集上映のパンフレットに書かかせていただいたことがホントに幸せで、自分が書いたことは必ず自分に返ってくることを知る、その跳ね返りの繰り返しの中にいることが喜びでした。何よりそれこそ…
感傷的な気持ちに身を任せると 星の明かりが部屋に差し込んでくる あなたの愛に満ちたやさしさは まるで暗闇を照らす炎のよう 「In a Sentimental Mood」 スーパーマーケットの駐車場で燃え上がるフォード・ギャラクシー。少年ジェイミーが生まれたとき家ま…
『Jackie』 『ジャッキー』に寄せられた言葉で、ナタリー・ポートマンがインタビューで語った言葉に敵う批評はありえない。曰く、「聡明なジャクリーンは自分が記者に語る言葉がそのままアメリカの物語になることを知っていた」。そう、『ジャッキー』はジャ…
『The Neon Demon』 『ネオン・デーモン』を撮るにあたって、カメラマンのナターシャ・ブライエ(あの美しいホセ・ルイス・ゲリン『シルビアのいる街で』を手がけた名カメラマンだ)はジェームズ・タレルの光を参考にしたという。『ネオン・デーモン』におけ…
オールスターキャストによるトム・フォードの新作『ノクターナル・アニマルズ』は、恐怖を美の次元に引き上げた上で宙吊りにするノワール映画の傑作だ。『シングルマン』のコリン・ファースがトレードマークであるメガネをかけている間、どこかフェリーニ映…
新年あけましておめでとうございます。さて、2016年ベスト。2016年は20本選ぶの楽勝だなと余裕こいていたら、むしろ削るのに苦労しました。ここ数年で一番映画を見れなかった一年でしたが、それでもとても充実したラインナップだったと思います。初めて正確…
新年あけましておめでとうございます。さて、毎年恒例年間ベストシネマ。2015年は個人的に素敵な出会いと悲しい別れのあった年でした。人生というものは良くも悪くもホントに上手く出来ているのだなあ、と身を持って感じた一年でした。女性ファッション誌の…
『グッバイ・ファーストラブ』のラストで文字通り"少女3部作"に「さよなら」を告げたミア・ハンセン=ラヴの新作『エデン』は、「フレンチタッチの栄枯盛衰」という、より大きな物語を題材にしながら、その語り口をよりパーソナルに紡ぐことに成功した傑作…
年が明けてからこの記事を読むという方には、新年明けましておめでとうございます。一年の終わりの日にこの記事を開いたという方には、よい新年が迎えられますようにと、一年の始まりと終わりのご挨拶。恒例の年間ベストシネマ。私的なことですが、今年は年…
ベル&セバスチャンのスチュワート・マードック初監督作品『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』は、ポップミュージックが一人の女の子の人生を救えるかどうか、という賭け、強い動機に支えられた映画だ。しかし、『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』を真に特別な映画…
ミア・ワシコウスカの初監督作品、短編『ロング、クリア・ヴュー』がすごくいい!ティム・バートン、ガス・ヴァン・サント、ジム・ジャームッシュの撮影の方法を直に経験してきた”若いながらも歴史あり”なミア・ワシコウスカが、とても見晴らしのいいクリア…
ボブ・ディランがニューヨークに到着して景色を一変してしまう以前、プレ:ボブ・ディランのフォークシーンを描いたコーエン兄弟の新作『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』は、街の景色の隙間に記憶が沁み入っていくような、どうしようもなく愛したくな…
レオス・カラックスの『ホーリー・モーターズ』に出演していたエリーズ・ロモーの主演作『黒衣の少女たち』。『ダークナイト』のコスプレをしたりする自殺願望の少女2人の物語。この作品は必ずしも傑作とはいえないかもしれないけど、いつまでもゴツゴツと…